【警告】Wolt撤退を楽観視してはいけない理由と、今すぐやるべき構造改革
こんにちは、久保田です。
前回の記事では、2026年3月4日をもってWolt(ウォルト)が日本市場から撤退するという速報と、飲食店がすぐに行うべき手続き(未清算金や貸与物の確認など)についてお伝えしました。
前回の記事をまだ読んでいないという方は、こちらからチェック!👇
今回はさらに一歩踏み込み、「Wolt撤退後のデリバリー市場がどう変化していくのか」という予測と、「私たち飲食店は具体的にどう動くべきか」という【Cubbe流】の解決策について解説していきます。
「Woltの売上が大きかったから今後が不安…」
「どうせWoltのお客さんはUberEatsに流れるから気にしなくていいでしょ」
店舗様によって様々な感想があると思いますが、この状況を楽観視するのは非常に危険です。
今後のデリバリー運営の方針を決める重要な内容になりますので、ぜひ最後まで読んで店舗の経営に活かしてください!
目次
Woltの日本撤退でデリバリー市場はどう変わる?2つの予測
Woltが撤退することで、今後のデリバリー市場には大きく2つの変化が起こると予測しています。
結論から言うと、「プラットフォームの権力がより強くなり、アプリ内の競争がさらに激化する」ということです。
予測① プラットフォームの権力肥大化(手数料は下がらない)
Woltが撤退することで、デリバリー需要の多くは「UberEats」「出前館」「RocketNow」の3社に集約されることになります。
現状でもこの3社で注文の9割以上を占めていますが、寡占化がさらに進むのは間違いありません。
これが何を意味するのかというと、**「飲食店側の交渉力・影響力が一層弱くなる」**ということです。
お店側としては「デリバリーの手数料が高いから引き下げてほしい」というのが本音ですが、市場が少数のプラットフォームに独占されている状態では、手数料の引き下げは絶望的です。
また、売上が各プラットフォームのアルゴリズム(表示順位の仕組み)に大きく左右される状況も続くため、プラットフォームと飲食店の力関係は、これまで以上にプラットフォーム側が優位になっていくと予想されます。
予測② アプリ内の「表示枠」をめぐる広告競争の激化
Woltを利用していたユーザーは、デリバリー自体をやめるわけではなく、他社のアプリ(UberEatsなど)に移行する可能性が高いです。
一見すると「市場規模は維持されるから問題ない」と思いがちですが、ここには大きな落とし穴があります。
プラットフォームの数が減るということは、「1つのアプリ内での飲食店同士の上位表示の奪い合い」が激化するということです。
限られた「表示枠」を獲得するために、これまで以上に広告費をかけた勝負が色濃くなっていきます。
【警告】「Woltの客がUberに流れるから安心」は危険な勘違い
「今までWoltで注文してくれていた常連さんは、UberEatsに乗り換えてまたウチに頼んでくれるだろう」
もしそう考えているなら、今すぐその考えは捨ててください。
Woltには出店しておらず、UberEatsにのみ出店している強力なライバル店は山のようにあります。
ユーザーがUberEatsを開いたとき、そこには今までWoltにはなかった魅力的なお店や、巧みなマーケティング(広告や割引)を仕掛けているお店が並んでいます。
つまり、何もしなければ既存のお客様を別のお店に奪われる可能性が大いにあるのです。
【Cubbe流】プラットフォーム完全依存から脱却する3つの解決策
では、このような厳しい未来が予測される中、飲食店はどう対応していくべきでしょうか?
最大のテーマは、「プラットフォームへの完全依存からの脱却」です。
短期戦と長期戦、そして全体最適の軸で仕組みを作っていく具体的なアクションを3つご紹介します。
解決策① 【短期戦】旧Woltユーザーの囲い込み
まずは足元の売上を守るための「短期戦」です。
他社アプリに流れた旧Woltユーザーを、自分のお店にしっかりと囲い込む施策を行います。
- Woltで支持されていた要素を横展開するWoltでよく売れていた「やや高単価なリッチメニュー」や「女性向けのセットメニュー」などを、UberEatsなど他のアプリでも目立つように盛り込みます。
- スポットで広告費を投下し、露出を拡大するWoltのサービスが終了した直後の「3月〜4月」は、ユーザーが新しいアプリに流れ込んでくるタイミングです。
ここでスポット的(一時的)に広告予算をかけ、お店の認知を広げましょう。
※ただし、赤字にならないよう「ROAS(広告の費用対効果)」はシビアにチェックしてください。
解決策② 【長期戦】デリバリーを「新規獲得ツール」へ転換する
次に、プラットフォームに依存しすぎない強いお店を作るための「長期戦」です。
デリバリーを単なる売上の柱ではなく、「自社チャネルへ誘導するための新規獲得ツール」として割り切って活用します。
具体的には、デリバリーの商品にサンクスカードやチラシを同梱し、以下の自社チャネルへお客様を誘導します。
- LINE公式アカウントの友だち登録
- 自社モバイルオーダーの案内
- テイクアウトやイートイン(来店)への誘導
プラットフォームの高い手数料を回避し、お店に直接利益が残る仕組み(土台)を今のうちから構築しておくことが、中長期的な生き残りに直結します。
解決策③ 【全体最適】現状分析とメニュー・オペレーションの見直し
短期・長期の施策と並行して、予測される未来に対応するための「構造改革」も必須です。
まずは自店の現状を徹底的にデータで分析してください。
- 分析するべき項目
- 人気/不人気メニューの把握
- 商品ごとの利益率や、全体にかかっている広告費率
- オンライン率やキャンセル率などの運営状況
- 現場(キッチン)への負担、オペレーションの余白
分析結果をもとに、メニュー内容のアップデートや、現場オペレーションの改善、スタッフの教育を行い、より利益が残りやすい無駄のない構造へとお店を作り変えていきましょう。
売上確保のためにやってはいけない「要注意ポイント」
最後に、焦って行動して失敗しないための「要注意ポイント」を2つお伝えします。
焦って「複数のゴーストブランド」を始めない
売上が減る不安から、「とりあえずブランド数を増やして面を取りに行こう」と考える方がいますが、これは悪手です。
市場が成熟した現在、ブランドの数だけで勝負する戦略は通用しなくなっています。
それよりも重要なのは、「1つのブランドのクオリティ(完成度)の高さ」と「購入率やリピート率の高さ」です。
限られた広告予算やリソースを分散させるのではなく、しっかりと売上を作れるメインブランドに一点集中してパワーをかけてください。
売れない「既存ブランド」に固執しすぎない
逆に、売上の低い既存ブランドに固執しすぎるのも問題です。
分析の結果、どうしても利益が出ない、リピートされないブランドであれば、時にはキッパリと諦める(損切りする)勇気も必要です。
その分のリソース(食材、時間、広告費)を、売上を牽引しているメインブランドへの注力や、全く新しいメインブランドの確立に回した方が、結果的に全体の利益は大きくなります。
まとめ:デリバリーバブルは終了。「本物の飲食店経営力」が試される時代へ
今回のポイントをまとめます。
- すぐやるべきこと: Woltからのデータ抽出、未清算金・貸与物の確認
- 今後やるべきこと: 残存プラットフォームでの露出強化、自社チャネルへの顧客誘導、現状分析と構造改革
アメリカでシェア1位を誇るDoorDash(ドアダッシュ)という超強力なバックアップがあるWoltでさえ、日本市場から撤退する時代です。
業界全体が、投資フェーズを終えて「利益確保」に向けて本格化している証拠でもあります。
「デリバリーに出店すれば何でも売れる」というブームは完全に終わりました。
これからは、一時的な流行りや小手先のテクニックではなく、「本物の飲食店経営力」が試される時代です。
環境の変化は一見するとピンチですが、立ち回りによってはチャンスを生み出す絶好の機会でもあります。
現状の整理と未来への仕組みづくりに、しっかりと力を入れていきましょう!

