RocketNowの「送料無料」はなぜ?飲食店が知るべき裏側と撤退リスク

こんにちは、久保田です。

最近、フードデリバリー界隈で話題の「RocketNow(ロケットナウ)」。

「配送手数料0円」「サービス料0円」といった破格のキャンペーンを見て、正直なところ「怪しい」「タダより高いものはないのでは?」と不安に感じている飲食店オーナー様も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げますと、これは詐欺ではありません。

巨大資本による、赤字覚悟の「シェア強奪作戦」です。

この記事では、RocketNowがなぜ無料施策を打てるのかという「ビジネスの裏側」と、そこから見えてくる「店舗側のリスク」、そして飲食店としてこの波をどう乗りこなすべきかという「付き合い方」について、現場目線で解説していきます。

また、同じ内容をマインドマップを用いた動画と音声でも解説しています!
「視覚的に理解したい」「音声で聞き流したい」という方は、是非こちらも参考にしてみてください!



1. なぜ「送料無料・手数料無料」ができるのか?

まずは、ユーザーにとっても店舗にとっても「安すぎる」このサービスの裏側を、ビジネスモデルの視点から紐解いていきます。

巨大な親会社「Coupang(クーパン)」の存在

RocketNowを運営しているのは「CPOneJapan」という合同会社ですが、その親会社にあたるのが韓国のAmazonとも呼ばれる巨大企業「Coupang(クーパン)」です。

CoupangはNASDAQにも上場している世界的な大企業であり、現在のRocketNowの施策は、このCoupangの潤沢な資金力を背景に行われています。

圧倒的なマーケティング投資フェーズ

通常のフードデリバリー(UberEatsや出前館など)の収益モデルは以下のようになっています。

  • (ユーザー送料 + サービス料 + 店舗手数料) - (配達報酬などの支出) = プラットフォームの利益

一方、現在のRocketNowは以下のような状態です。

  • (ユーザー送料0円 + 店舗手数料) - (支出) = 大幅な赤字

ユーザーが負担すべき送料やサービス料を、運営会社が丸被りしている状態です。

これは、AIや最新技術による効率化の結果ではありません。
シンプルに「先行するUberEatsや出前館からユーザーを引き剥がすための、資本力によるパワープレイ(投資)」です。

永続的に可能な戦略ではありませんが、今は「日本市場のシェアを取るためなら赤字も厭わない」というフェーズにあります。

2. 飲食店が把握すべき「最大のリスク」

「タダで集客してくれるなら最高じゃないか」と思われるかもしれませんが、経営者として把握しておくべき重大なリスクがあります。

親会社Coupangの「撤退基準」はシビア

最大のリスクは、「ある日突然、サービスが終了する可能性がある」ということです。

実は親会社のCoupangは、2021年6月に一度日本市場へ「即配サービス」で参入しましたが、採算が合わないと判断し、2023年3月に日本から撤退した過去があります。

「数字が合わなければ即撤退」という冷徹かつ迅速な経営判断をする企業であることは、歴史が証明しています。

売上の柱に依存させないこと

もし、あなたのお店がRocketNowの売上に全依存してしまった場合、Coupangが「日本撤退」を決めた瞬間に売上の柱を失うことになります。

「ある日突然無くなっても大丈夫なポートフォリオ」を維持しておくことが、経営者の責務です。

3. RocketNowを賢く使い倒す3つの活用アクション

しかし一方で、リスクがあるからといって「導入しない」というのは機会損失です。

現状、ユーザーへの還元(割引原資)が出ている「ボーナスタイム」であることは間違いありません。

飲食店サイドとしては、以下の3点を意識して「いいとこ取り」をしていきましょう。

①エリア内であれば「とりあえず導入」を推奨

RocketNowは徐々にエリアを拡大していますが、まだ限定的です。

もし自分のお店が対応エリア内になった場合、特に「サービス開始直後のエリア」であれば導入を強くおすすめします。

競合店舗が少なく、プラットフォーム側もユーザー獲得のために多額の販促費を投下しているため、先行者利益を得やすい状態にあるからです。

②オペレーション負荷と価格設定の管理

導入にあたって、現場では以下の点に注意が必要です。

  • タブレットが増える:Camelなどの一元管理システムを導入していない場合、端末がもう1台増えます。現場がカオスにならないよう覚悟が必要です。
  • サポート体制の不安:まだ発展途上のサービスのため、トラブル時のサポートがUberEatsなどに比べて不十分なケースがあります。
  • 価格設定と粗利管理:「店頭価格と同じにしてください」といったディスカウント圧力がかかることがありますが、絶対に粗利計算を徹底してください。「注文は入るけど、利益が残っていない(むしろ赤字)」という事態だけは避けなければなりません。

③「集客装置」として割り切る

RocketNowの正しい立ち位置は、「売上の柱」ではなく「広告費0円の宣伝媒体」です。

  1. RocketNowの安さをフックに新規客に注文してもらう
  2. 商品のクオリティでファンになってもらう
  3. 商品の中に、自社のチラシやLINE公式アカウントの案内を同梱する
  4. 次回は手数料のかからない(少ない)「自社(他社)デリバリー」や「イートイン・テイクアウト」へ誘導する

このように、最終的に自社の資産(リスト)へ流し込むための入り口(集客装置)として使いこなすのが、最も賢い戦略です。

まとめ

今回は、話題のRocketNowについて、その裏側と店舗としての向き合い方を解説しました。

  • 無料の理由:巨大資本Coupangによるシェア強奪のための投資フェーズ。
  • リスク:数字が合わなければ即撤退もあり得る(依存は厳禁)。
  • 対策:リスクを理解した上で、波が来ているうちはしっかり乗っかる。

しばらくは、ユーザーにとっても店舗にとってもメリットの大きい「台風の目」になる可能性が高いです。

「よくわからないからやらない」ではなく、「仕組みとリスクを理解した上で、利用して利益を確保する」というスタンスで、日々の運営に役立てていきましょう!

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